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▼神保町サロンの概要

毎週水曜日に神保町で哲学・政治・経済、生き方などについて語る会をやっております。

ランチ&カフェの時間帯で、自由参加 大体11:30~14:30頃まで 出入り自由でゆるーく。
(企画会やゲストを呼ぶときは参加費を徴収する場合もあります。)

神保町はおいしいランチのお店が多く、カレー、洋食、老舗の天ぷら、和食、個室で中華など豊富です。ほとんどが1000円以下で召し上がれます。レギュラーメンバーには神保町の出版者出身の人間が何人かいて、ランチのお店選びは任せてください。

神保町 ロシア料理
神保町カレー
神保町サロン

参加者に共通している認識としては、帝国主義、近代科学史観、資本主義を前提とした「搾取・拡大・成長」の限界です。議論の出発点にちょうど良いのは広井良典著の「 ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 (岩波新書)」です。 

書籍から簡単に概要を抽出してみます。


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近代科学と資本主義という二者は、限りない「拡大・成長」の追求という点において共通していて、両輪の関係にある。しかし、地球資源の有限性や人間社会の格差拡大といった問題点がある限り、その方向性には限界がある。

では、成長・拡大から成熟した社会・定常化する経済への移行期には人々はどうあるべきなのか。

どうすれば幸福を維持できるのか。そもそも幸福とは何か。 資本主義が変化すればよいのか、社会主義を形を変えて復活させればよいのか、欺瞞のないエコロジーとは何か。

あらしい価値観が創出されるとしたら、どういったところから創発が起きるのか。
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今まで参加された方たちは下記のような考え方を持っています。

▼実体経済と金融経済の乖離を見ればデフォルト経済がおこるだろう。経済だけを頼りに生きていたのでは、仕事や家族を維持できず孤独に陥ることもあるだろう。新しい繋がり、友人が社会保障になる時期が来るんじゃないか。また、デフォルト経済は人間の本来の姿をあらわにするため、新しい価値を生み出され、経済格差を埋めるチャンスでもある。

▼いままでは人の不完全性を宗教や思想、哲学などのイデオロギーが曖昧に引き受けてきた。しかし、これからは人工知能学や行動経済学など、バイアスを排除する科学がそれらを引き受けるフラットな時代になっていくだろうと思う。 

▼テクノロジーとデータの活用によってまずはシェアリングエコノミーが進むと思う。経済だけに頼るのはリスクが大きいが、経済は人間の身体を維持するためのインフラや食料などを含む交換に大きな役割を果たしている。大きな経済圏ばかりが注目されていた時代は終わり、個人が中規模や小規模の経済圏にいくつも所属する時代になるのではないか

▼自由意志や人権は社会システムを維持するための一つの抽象概念でフィクションである。国民国家を維持するために作られたような人工的な概念からは一回距離を置くことで、自分を束縛していた言語から解放され、身体と精神をしっかりと分離できるようになる。ハンナ・アーレントは「労働、活動、仕事」を分けて考えた。「労働=身体維持のために必要な経済活動 活動=人生を遊ぶということ 仕事=活動から得た法則や楽しみを拡大修練していって、アートにしていく」と解釈できる。政治や経済は手段として割り切り、生物としての楽しさを教授するために色彩、匂い、音などのアート的な感覚を磨いていく。労働と活動と仕事を行き来しながら、人生を楽しむ能力を磨いていくサロンは、これから必要になっていく。

最後にアーレントから「労働、仕事、活動」を引用しておきましょう。

(アーレントの定義)
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労働laborとは、人間の肉体の生物学的過程に対応する活動力である。人間の肉体が自然に成長し、新陳代謝を行ない、そして最後には朽ちてしまうこの過程は、労働によって生命過程の中で生みだされ消費される生活の必要物に拘束されている。そこで、労働の人間的条件は生命それ自体である。


仕事workとは、人間存在の非自然性に対応する活動力である。人間存在は、種の永遠に続く生命循環に盲目的に付き従うところにはないし、人間が死すべき存在だという事実は、種の生命循環が、永遠だということによって慰められるものでもない。仕事は、すべての自然環境と際立って異なる物の「人工的」世界を作り出す。その物の世界の境界線の内部で、それぞれ個々の生命は安住の地を見いだすのであるが、他方、この世界そのものはそれら個々の生命を超えて永続するようにできている。そこで、仕事の人間的条件は世界性である。


活動actionとは、物あるいは事柄の介入なしに直接人と人との間で行なわれる唯一の活動力であり、多数性という人間の条件、すなわち、地球上に生き世界に住むのが一人の人間manではなく、多数の人間menであるという事実に対応している。たしかに人間の条件のすべての側面が多少とも政治に係わってはいる。しかしこの多数性こそ、全政治生活の条件であり、その必要条件であるばかりか、最大の条件である。
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参加希望の方はこちらのフェイスブックページか、下記の入力フォームからメッセージください。

https://www.facebook.com/groups/151216678825949/


担当:石塚

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