企画と演者で係わっていた「ヘルスケア×IT(湯川塾)」の勉強会、最終回は孫泰蔵さんがゲストで参加してくれました。
泰蔵さんは、エストニアで開かれたスタートアップ「latitude59」に参加して、日本にきたばかりで、「e-Residency」を中心に、世界で働く可能性を語ってくれました。
※latitude59の様子はここで動画と写真でみれる。 https://latitude59.ee/program/schedule
エストニアといえば電子政府。X-ROADというデータの幹線道路のようなものを作り、パブリックセクター、プライベートセクターかかわらず、データの連携が容易にでき仕組みを作っています。泰蔵さんいわく、エストニアは確定申告が数十分で終わるとか。もちろん行政の運営コストの人件費はかなり抑制されている。
※ウェブで完結する行政サービスの説明がいくつもある。 https://e-estonia.com/
データ連携が容易ということは、セキュリティを緩くするということ。エストニア住民は、政府や行政に管理されているという意識よりも、自分たちが政府や行政の仕事をしっかり見ていこうという指向が強いそうです。X-ROADが可能な背景をさらに掘り下げてプライバシーの考え方、法律、倫理、人口動態や産業構造など細かく調べてみたくなった。
エストニアの電子政府の概要 ※https://www.ria.ee/en/
泰蔵さんは「e-Residency」の可能性をかなり熱を込めて語ってくれた。この仕組みをつかったスタートアップもいくつか教えてくれた。ここは自分なりにかなり掘り下げていく予定。
※e-Residency http://e-resident.gov.ee/
そして気になるのは医療の世界。
※E-health Estonian Digital Solutions for Europe https://e-estonia.com/e-health-estonian-digital-solutions-…/
※Estonian Healthcare: e-Health record and e-Prescription took over https://www.youtube.com/watch?v=2XOqsJh4Abg
エストニアでは、すべての医療データはブロックチェーンで保障している。やっと日本でもガイドラインが策定された電子処方箋もエストニアではすでに国レベルで実施済み。医療の電子化が進むと、患者情報の共有というレベルからもっと進んで、おそらくワトソンがやろうとしている「診断の意思決定支援」などもできてしまうのではないだろうか。IBMが成功しているのは病院を買収して、診断に必要な画像やカルテの情報を膨大に所有したからだけど、データを国民がどんどんアップデートしていけば… 政府や行政に管理されているという意識よりも、自分たちが政府や行政の仕事をしっかり見ていこうという意識を持つことで、かなりコストはカットできるのだなーとしみじみ。
様々なデータがあるので、遺伝子や生活習慣と病気の因果関係などのデータを掛け合わせて分析することでできるようになるだろう。X-ROADのシステムを一つのインフラとしてみて、すべてこのデータベース上に情報を置いておきたいと思う人もでてくるだろう。
※国民番号制と医療ICT化(スウェーデンとエストニアの事例から) https://www.slideshare.net/scirexcenter/ict-64898375
※エストニアに見る医療情報システムの未来 http://gcmwso.web.fc2.com/pdf/gcm13/gcm13_jeeadis.pdf
※エストニアで電子処方箋が成功した理由を探る http://blog.goo.ne.jp/eg…/e/7fcbc1df8711552735fc7b51b92a28f9
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